ポワント(トゥシューズ)はいつ履ける?具体的な条件をご紹介。クリア出来たらそろそろかも?!【大人バレエ ブログvol.6】

大人からバレエ。ポワントへの憧れはありませんか?
バレエを始めてからバレエシューズで踊ってきたけれど、「ポワントはいつから履いていいのか」「どんなことが出来るようになったらトゥーシューズが履けるのか」と悩んでいませんか?


そこで今回は、「ポワントを履けるレベルかどうかのテスト」について、

学術誌で紹介された内容や、バレエ教室で使用されているチェック内容をご紹介します。

この記事を読めば、

  • あなたがポワントを履いても良いレベルかどうか
  • ポワントを履けるようになるために今何が足りないのか

を知ることが出来ます。


既に準備が出来ている方も、これからの方も、ケガをしないようにトレーニングをしながら、バレエの努力の証であるトゥーシューズを楽しみましょう!

目次

トゥシューズ(ポワント)を履いても良い絶対的な基準とは?

実は、「これが出来たらポワントを履いても良い」という全国共通の絶対的な基準は存在しません。だからこそ、各バレエ講師による裁量が非常に重要視されます。

「基準はない」とはいえ、ポワントを履いてもよいかの判断については、お教室によってはテストがあります。そのテストに合格した生徒はポワントを履くことが出来ます。
今回はそのテストの内容についてピックアップしてご紹介します!!

トゥーシューズ(ポワント)は超危険!入念な準備を

バレエを踊るときに、バレシューズでさえ足と足首にかかる力はダンサーの体重の4倍になりますが、トゥシューズの場合は12倍になるそうです。疲労や過度な使用によって、足・足首・膝などに重度の怪我を負ってしまう可能性があります。
だからこそ、実際に実践されている評価テストについて知り、トゥーシューズを履く準備が十二分に整ってから、挑戦されることをおすすめします。

プロの世界でもケガにより現役人生が終わってしまう方がいるのは勿論のこと、わたしのお教室にも『怪我をして履けなくなってしまった』という方も多いです。とっても素敵だけど、とっても危ないんだね。

バレエ講師による判断が最優先

トゥーシューズを履ける準備が出来ているかは、原則バレエ講師による判断が最重要です。
生徒を逃がさないように時期尚早で許可を出す先生もいますが、基本的には生徒の実力についてバレエの先生が一番分かっているはずなので、後述するテスト内容が出来ていたとしても、必ず講師と相談してください。

準備が出来ているかのチェック内容は?

バレエ経験年数

少なくても2~5年必要
アメリカンバレエシアターの設立者のジョージ・バランシンさんはかつて、「生徒がトゥシューズで踊れるようになるまでに4年間の本格的なバレエトレーニングが必要である」と述べました。通常、”本格的な”バレエトレーニングは約7歳頃から始まるため、ほとんどの生徒は11歳~12歳くらいになるまでポワントは行わないそうです。
調査結果からも、経験年数とポワントに必要な能力との関連性が強くあることが実証されています。『2年間以上』という教室もあれば、「5年間は必要」と提言している教室もありまちまちではありますが、実力はあっても2年間はバレエシューズで基礎を固める方が良いでしょう。

バレエのレッスンを毎週どれくらい受けているか

週2回以上が望ましい
怪我防止という観点でも、バレエの感覚を常日頃から磨いていることが大切のためです。

底屈と背屈の角度

底屈…足関節で足首を足の裏の方向に折り曲げること
うつ伏せのときの足と足首が90°以上かどうかが判断基準

背屈…足指(MTP関節)を足の甲の方に折り曲げること
ルルベをしながら踵(かかと)と背中をつけることが出来、膝、体幹が真っすぐである状態。足指の曲がっている角度が80°~90°出来ることが望ましい

底屈は、いわゆる「つま先伸ばして!」というバレエを綺麗に踊るために必要なやつだね!足の指を丸めて甲を綺麗に伸ばすのが難しいんだよなぁ。
背屈は、ルルベを『高い踵の位置、膝・体幹が真っすぐ』で、重心がきちんと安定して乗れているかを見るための指標だね!

Pencil testと呼ばれる方法もあります。床に座った状態で、足首に鉛筆を乗せたとき、足の甲が鉛筆に沿っているもしくは甲が地面側に反れていることが合格ラインです。

プランクテスト

体幹持久力と骨盤をニュートラルな位置に維持する能力を測定するため。頭頂部から尾骨までまっすぐな背骨。肩甲骨は背中に向けて平らにする。脚は膝と太ももまで完全に引き上げ、かかとはつま先の上に置く。
2分間が目標。

踵あげテスト(Heel rase test)

ふくらはぎの筋力のテスト。ルルベを連続20回以上が目標
片足1本で立って、反対側の足はパラレルのクッペに固定します。可能な限りプリエは無しで行います。
他にも、『120ビーツ/分、30回/分の速さでルルベ。32回が目標』という基準もありました。
(※つまり、2秒かけて1回ルルベ。ペースを崩さずに32回!)

足の小指側でなく、親指側に重心があること。

Airplaneテスト

片足立ちで上半身を前に倒し、軸足と反対側の足を地面と水平にします。
両手も横に広げて、骨盤も地面と水平にします。
その後、指先が地面につくように腕を内転させながら、プリエをします。
この動きを5回行い、そのうち2回正確にクリア出来ていればOKです。

骨盤や軸、足が揺れたりしないで適切な位置で安定していることが大切です。

Topple(転倒)テスト

シングルピルエットが綺麗に出来るかのテスト。それぞれの軸足で3回ずつ挑戦する。挑戦してみたときに、下記のポイントがクリア出来ていたらOK。

(テストの場合は、講師が左右それぞれの一番きれいなピルエットに点数をつけ、その合算点数で合否を決定)

  • 4番ポジションの準備が正確に出来ている
    • お尻は四角くポジションが取れている
    • 体重の大半が足先にかけている
    • ターンアウトがされている
    • 骨盤が中心にある
    • 腕が強く固定されている
  • 足を1カウントでパッセの位置に引き上げられている
  • 軸足がまっすぐになっている
  • 体全体(胴部分)が1本になっている
  • 強く、正しい位置に腕がある
  • 素早くその場で回転できている
  • コントロールながら安定した着地が出来ている

映像ではパッセを前後していますが、前パッセ固定で問題ありません。

ごちゃごちゃ書きましたが、結局はピルエットが綺麗に正確に回れているか、自分で動画を撮って見て上記の点を評価してみてください。

Sautéテスト

体幹と下肢の制御が出来ているかのテスト。片足クッペをしたまま、垂直にジャンプをする。
16回行い、8回以上が目標。

評価ポイント
  • 骨盤がニュートラルになっている
  • 軸が真っすぐで安定している
  • 空中で軸脚が真っすぐになっている
  • 空中で軸足の指先が真っすぐに伸びている(底屈90°)
  • クッペをしている足が動かず固定されている
  • 着地がコントロールされている


本格的なテストだとスローカメラでチェックします。

Modified Romberg test

パラレルポジションの片足立ちで、両腕を胸の前でクロスしながら、目を閉じて行うバランステスト。
30秒以上が目標。

 

その他のバランステストおよびターンアウトテスト

ルルベとパッセ

パッセをしてから、片足でルルベをします。最初は片手でサポートを軽く掴むことが出来ますが、次に何も捕まらずにバランスが取れているか見ます。8秒間キープが目標です。

グランプリエ

1番、2番、4番、5番の位置で、グランプリエ。体幹を直立させながら中足骨の頭に体重がかかるように出来ているかをチェックします。

1番ポジションのターンアウトテスト

1番ポジションで1分間キープ。強力で調整されたコア、安定した両足均等のターンアウト、および適切なポート ド ブラで行えているかがチェックポイントです。

苦手が見つかったら、トレーニングしてみよう!

どのチェック項目が一番難しかったですか?

【足や足指の筋力が足りない、柔軟性が足りないと思われた方】
ダンスバンドで可動域&筋力アップが効果的です!!

【バランス感覚と体幹、筋力を磨きたい方】
「バランスディスク」がおすすめ!!
プロも使っている方多いです。アラベスク鍛えられます。

【柔軟性が足りないかもと思った方、筋トレしたい方】
ストレッチマットがおすすめです!!

まとめ

判断項目のうち、あなたは何個クリア出来ていると感じましたか?

今回は、Journal of Dance Medicine & Scienceという学術雑誌に掲載された『Fitness Testing to Determine Pointe Readiness in Ballet Dancers』や、開示されているバレエ教室のテスト内容などを参考に、ポワントの準備が出来ているかのチェック項目についてご紹介しました。
注意していただきたいのは、このテスト内容はポワントの準備が出来ているか判断するにあたってあくまで参考程度です。理由としては、実際には判断基準は他にも多要因あるからです。

  • 柔軟性
  • 技術
  • 正確に身体の位置を保つ能力
  • 姿勢やバランスのコントロール固有感覚(位置感覚)
  • アライメント(角度や位置を調整出来る能力)
  • 動きの習得能力
  • 振り付けを覚えてこなせる能力
  • 指摘されたことを直ぐに修正出来る能力  など

結局は、総合的に出来ているかが求められます

今回ご紹介した内容について、自分がどれくらい出来ているかを把握した上でバレエのお教室の先生に相談してみてみると、先生からの評価やアドバイスがより理解できると思います。

大人バレリーナさんは、練習にさける時間も少ないのが悩みですよね。課題が見つかった方は、トレーニンググッズなども使って効率的に克服してみてはいかがでしょうか?

引用・参考文献とおすすめの動画&サイト様

引用・参考文献一覧

おすすめの動画&サイト様

『Pencilテスト』について分かりやすいサイト様
ダンサーのための「ペンシルテスト」 | バレエダンサーの体にYELL~エール~ (ameblo.jp)
バレエに関してとても分かりやすく解説されているサイト様で、とってもおすすめです!!

『ポワントを履いて踊れる身体ができているか検査する方法』
(バレエ整体 あすかスタジオ様)

https://youtu.be/hGbQ-3kPV9M

当サイトでもご紹介したチェック内容について、分かりやすく丁寧に解説されています。
お手本を目指して練習したいときもおすすめです!

『プレポイントエクササイズ!』
(Claudia Dean World様)

ポワントを履けるようになるためにおすすめの筋トレもたくさんありますので、是非やってみてください

読んでくださり、ありがとうございました!
わたしも基礎を固めて、頑張ります!
「ポワントを履いてよし!」とお教室の先生に言ってもらえたら、またご報告させてください!!

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